アパート経営・1ルームマンション投資といった
現物不動産投資は上級者の運用手法です。
ところが、株や投資信託と比べると
不動産は身近に感じられるのか
これまで資産運用をまったくしていない人が
手始めに不動産投資をする人が少なくありません。
確かに不動産投資は
💡ローンを利用できるのでレバレッジがきく
💡安定した家賃収入が入ってくる
💡株式や投資信託以外の投資ということで運用手法を分散できる
というメリットがあります。
物件選びや賃貸経営、
さらには融資を上手に利用できるのであれば
採り入れたい運用手法の一つでもあります。
それでも
現物不動産投資は上級者の運用手法であり
それなりに勉強や手間ひまが必要ということは
知っておいて欲しいところです。
先日40代のお客様が相談にいらっしゃいました。
奥様とお子様の3人家族
会社勤めで世帯年収850万円のご家庭です。
お子様は高校生で
ちょうど教育費がピークに差し掛かった時期。
ですが、教育費の負担は
大学卒業まであともうひと踏ん張りという段階でした。
一方、住居費に関しては
親御さんが建てた二世帯住宅に同居されていて
家賃やローンの負担がないという
なんとも恵まれたご家庭でした。
さらに預貯金は3,000万円もあり
経済的にまったく問題のないご家庭だったのです。
では、なぜ私のところに相談に訪れたかというと
「銀行に眠っている預貯金3000万円を運用しないのはもったいない」
と思い立ち
運用を考えているという相談でした。
そして運用となった時に
真っ先に思い立ったのが不動産投資だったそうです。
具体的には
預貯金3000万円を頭金に
さらに1億円超の融資を銀行から受けて
土地を購入し
その上にアパートを建てて
アパート経営しようというものだったのです。
既に土地は見つかっており、週末に契約を控えている
銀行の審査も承認がおりている
あとは不動産売買契約を結ぶだけ
という状況でしたが
「果たして本当にうまく運用できるのか」と疑問に思い
相談に来られたのでした。
そこで、まず事業計画のキャッシュフローを作成しました。
家賃収入から経費を差し引いて収益がどれくらいでるのか?
1棟のアパートという
換金性や流動性が劣る
現物不動産に集中投資をするリスクをとってまで
やるべき収益が期待できるのか?
さらに、税金がどれくらいかかるのかを確認するために
税金計算上の損益計算書も作成をしました。
試算をしてみた結果は・・・
収益が期待できるどころか
税金を支払った後は赤字になる
という運用とはほど遠い計画だったのです。
普通に考えると
頭金を3000万円も入れているので
キャッシュフローが黒字にならないのは
おかしいのですが
いま都心近郊では土地価格がも建築費も
高くなりすぎています。
一方、家賃はどうかというと
高騰する土地や建築費に見合うほど
家賃は上がっていないので
利回りが悪化しており
不動産投資はうまみが少なくなっています。
中古物件を上手に見つける
あるいは土地をすでにお持ちの方であれば
話は別ですが
土地を一から買って
新築のアパートやマンションを
大手ハウスメーカーで建てるとなると
よほど割安な土地を買えない限りは
黒字にするのはなかなか厳しくなっているのが
現実です。
こういった市況環境の悪化にも関わらず
不動産投資をはじめてする人が
見落としがちな点として
税金の問題があります。
家賃収入にも所得税・住民税が課税されます。
この時の所得税の税率は
給与収入やその他の収入と合算するため
所得が高い人ほど税率が上がります。
さらに都合が悪いのは
税金の計算上は
返済しているローンの元金部分は経費として
引けない点です。
月々のローンの返済額は
内訳が元金の返済と利息の支払いに分かれます。
今のような低金利では
元金部分が占める割合の方が多くなるケースが
一般的ですが
税金の計算上は利息分しか
経費に計上できないのです。
一方
維持管理費や修繕費、固定資産税の他
実際にかかってない減価償却費を経費として
計上できるというメリットもあります。
それでも
日頃、賃貸事業計画の診断をしていると
実態は赤字でも
税金の計算上は黒字になってしまい
税金を払っているケースは多々あります。
結果、税金を支払った後は
不動産投資をしているのに
なぜか毎月2~3万円の持ち出しがあるというような人も
少なくありません。
今回の相談事例では
税金を引く前であっても
利益がほとんど出ないので
税金云々以前の問題でした。
キャッシュフローが赤字になる原因としては
✓土地が高すぎること
✓建築費が高すぎること
✓経費が多すぎること
✓家賃が安すぎること
という四重苦が原因でした。
こういった利回りのでない物件をつかんでしまい
不動産投資で失敗しないためにも
不動産投資を検討する時には
必ずキャッシュフロー表を作成すうようにしてください。
さらに税金がどれくらいかかるのか
試算することも大切です。
また、はるかに難易度が低く
流動性・換金性の高い
王道の投資である
投資信託と比べて
利回りが良いものなのか
相対的に比較することもおすすめします。
リスクに対して
リターンが見合うのか
不動産投資に限らず
投資をする時には
リスク・リターンから
投資効率を判断することが重要です。
とはいえ
自分ではなかなか分析するのが難しいという方は
大きな買い物なので
ぜひ専門家に相談をしてみてください。
今回相談にいらしたお客様は
「首の皮がつながった」と安心して帰られました。
その後、
資産運用の勉強をされ
利回りの良い中古アパートと
複数の投資信託に投資をし
分散した安定運用をされています。
取り返しのつかない大失敗を防ぐことができ
さらに家計を大幅に改善することができ
本当に良かったと思います。
現物不動産投資は上級者の運用手法です。
ところが、株や投資信託と比べると
不動産は身近に感じられるのか
これまで資産運用をまったくしていない人が
手始めに不動産投資をする人が少なくありません。
確かに不動産投資は
💡ローンを利用できるのでレバレッジがきく
💡安定した家賃収入が入ってくる
💡株式や投資信託以外の投資ということで運用手法を分散できる
というメリットがあります。
物件選びや賃貸経営、
さらには融資を上手に利用できるのであれば
採り入れたい運用手法の一つでもあります。
それでも
現物不動産投資は上級者の運用手法であり
それなりに勉強や手間ひまが必要ということは
知っておいて欲しいところです。
先日40代のお客様が相談にいらっしゃいました。
奥様とお子様の3人家族
会社勤めで世帯年収850万円のご家庭です。
お子様は高校生で
ちょうど教育費がピークに差し掛かった時期。
ですが、教育費の負担は
大学卒業まであともうひと踏ん張りという段階でした。
一方、住居費に関しては
親御さんが建てた二世帯住宅に同居されていて
家賃やローンの負担がないという
なんとも恵まれたご家庭でした。
さらに預貯金は3,000万円もあり
経済的にまったく問題のないご家庭だったのです。
では、なぜ私のところに相談に訪れたかというと
「銀行に眠っている預貯金3000万円を運用しないのはもったいない」
と思い立ち
運用を考えているという相談でした。
そして運用となった時に
真っ先に思い立ったのが不動産投資だったそうです。
具体的には
預貯金3000万円を頭金に
さらに1億円超の融資を銀行から受けて
土地を購入し
その上にアパートを建てて
アパート経営しようというものだったのです。
既に土地は見つかっており、週末に契約を控えている
銀行の審査も承認がおりている
あとは不動産売買契約を結ぶだけ
という状況でしたが
「果たして本当にうまく運用できるのか」と疑問に思い
相談に来られたのでした。
そこで、まず事業計画のキャッシュフローを作成しました。
家賃収入から経費を差し引いて収益がどれくらいでるのか?
1棟のアパートという
換金性や流動性が劣る
現物不動産に集中投資をするリスクをとってまで
やるべき収益が期待できるのか?
さらに、税金がどれくらいかかるのかを確認するために
税金計算上の損益計算書も作成をしました。
試算をしてみた結果は・・・
収益が期待できるどころか
税金を支払った後は赤字になる
という運用とはほど遠い計画だったのです。
普通に考えると
頭金を3000万円も入れているので
キャッシュフローが黒字にならないのは
おかしいのですが
いま都心近郊では土地価格がも建築費も
高くなりすぎています。
一方、家賃はどうかというと
高騰する土地や建築費に見合うほど
家賃は上がっていないので
利回りが悪化しており
不動産投資はうまみが少なくなっています。
中古物件を上手に見つける
あるいは土地をすでにお持ちの方であれば
話は別ですが
土地を一から買って
新築のアパートやマンションを
大手ハウスメーカーで建てるとなると
よほど割安な土地を買えない限りは
黒字にするのはなかなか厳しくなっているのが
現実です。
こういった市況環境の悪化にも関わらず
不動産投資をはじめてする人が
見落としがちな点として
税金の問題があります。
家賃収入にも所得税・住民税が課税されます。
この時の所得税の税率は
給与収入やその他の収入と合算するため
所得が高い人ほど税率が上がります。
さらに都合が悪いのは
税金の計算上は
返済しているローンの元金部分は経費として
引けない点です。
月々のローンの返済額は
内訳が元金の返済と利息の支払いに分かれます。
今のような低金利では
元金部分が占める割合の方が多くなるケースが
一般的ですが
税金の計算上は利息分しか
経費に計上できないのです。
一方
維持管理費や修繕費、固定資産税の他
実際にかかってない減価償却費を経費として
計上できるというメリットもあります。
それでも
日頃、賃貸事業計画の診断をしていると
実態は赤字でも
税金の計算上は黒字になってしまい
税金を払っているケースは多々あります。
結果、税金を支払った後は
不動産投資をしているのに
なぜか毎月2~3万円の持ち出しがあるというような人も
少なくありません。
今回の相談事例では
税金を引く前であっても
利益がほとんど出ないので
税金云々以前の問題でした。
キャッシュフローが赤字になる原因としては
✓土地が高すぎること
✓建築費が高すぎること
✓経費が多すぎること
✓家賃が安すぎること
という四重苦が原因でした。
こういった利回りのでない物件をつかんでしまい
不動産投資で失敗しないためにも
不動産投資を検討する時には
必ずキャッシュフロー表を作成すうようにしてください。
さらに税金がどれくらいかかるのか
試算することも大切です。
また、はるかに難易度が低く
流動性・換金性の高い
王道の投資である
投資信託と比べて
利回りが良いものなのか
相対的に比較することもおすすめします。
リスクに対して
リターンが見合うのか
不動産投資に限らず
投資をする時には
リスク・リターンから
投資効率を判断することが重要です。
とはいえ
自分ではなかなか分析するのが難しいという方は
大きな買い物なので
ぜひ専門家に相談をしてみてください。
今回相談にいらしたお客様は
「首の皮がつながった」と安心して帰られました。
その後、
資産運用の勉強をされ
利回りの良い中古アパートと
複数の投資信託に投資をし
分散した安定運用をされています。
取り返しのつかない大失敗を防ぐことができ
さらに家計を大幅に改善することができ
本当に良かったと思います。
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