こんにちは!
独立系FPの平井美穂です。
2023年5月に出版した著書
「金利上昇でも慌てない住宅ローンの超常識」の中で
私は「金利が上がってから固定金利に借換えるのは難しい」と
お伝えしていました。
あれから3年間で
変動金利が続けざまに上がり
まさに今
「これから固定金利に借換えるのは難しい」
状況になっています。
今回、
あらためて当時の状況を振り返ってみることで
住宅ローンの金利に対する考え方を
再確認していきたいと思います。
まずは
3年前に書いた本の中身を
ご紹介させていただきます。
以下は2023年5月に出版した拙著
「金利上昇でも慌てない住宅ローンの超常識」の中からの
抜粋です。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
『Q)変動金利が上がったら固定金利に借り換えればいいですよね?』
『A 変動金利で一度借りると途中で固定金利に切り替えるのは難しい』
変動金利で住宅ローンを借りている方から
「金利が上がったら固定金利に借り換えればいいですよね」
とよく聞かれます。
確かに高度経済成長期の時のように
金利が右肩上がりに上昇を続ける場合は
金利が上がり始めた初期段階で
固定金利にぱっと切り替えればいいのですが、
実際にはそう簡単ではありません。
一度返済が始まると
変動金利から固定金利に切り替えるのが簡単ではない理由を
3つ挙げます。
【固定金利への借り換えが難しい理由 ①】
短期金利が上がる頃には長期金利はとっくに上がっている
まず一番目の理由に
長期金利の方が短期金利よりも先に金利が上がる
という根本的な問題があります。
金利には短期金利と長期金利がありますが
住宅ローンの変動金利は
短期金利に連動する「短期プライムレート」を
元に決められます。
一方
全期間固定金利型住宅ローンの代表選手であるフラット35は
長期金利を元に
金利が決められています。
そして
短期金利の代表的な指標である
「無担保コール翌日物(銀行間で1日だけ融資する際の金利」の金利は
年8回行われる日本銀行の金融政策決定会合で
金利が誘導されます。
一方、
長期金利の代表的な指標である
10年国債の利回りは
債券市場の需給バランスや市場参加者のおもわくで
金利が変動します。
その時々の政治・経済、為替相場など
国内外での出来事がニュースになると
すぐに反応するのがこの長期金利です。

2022年の年初から続いている
長期金利の上昇は
まさに海外で起こっている金利上昇の動きに
即座に反応して起こった現象です。
対する短期金利は
中央銀行が経済状況をしばらく注意深く見守った上で
「これは中央銀行として対処が必要」
と判断した時に
政策金利の上げ下げを決定するものなので
長期金利よりもだいぶ遅れた動きを見せます。
なお、
現在は日本銀行が本来介入しないはずの長期金利に関しても
国債を大量購入するといった非伝統的な手法で
金利を抑制している状況です。
そのため、
短期金利と長期金利の差が小さくなっています。
具体的に、住宅ローンの変動金利と35年固定金利を比較してみると
大規模金融緩和が行われる前の2010年頃は
その差が約2%ありました。
2023年4月現在、
りそな銀行では変動金利は0.37%
35年固定金利は1.345%となっており
長期金利が上がってきているとはいえ
まだその差は1%程度です。
今後、
大規模金融緩和が終了し
金利が正常化する中で
長・短金利ともに引き上げられる
局面がやってくるかもしれませんが
その時には
長期金利は今よりも
だいぶ上がっている可能性があります。
そうなると、
いくら金利を固定できるといっても
低い金利からより高くなった金利への借り換えは
月々の返済額の負担増を考えると
なかなか決断ができないものです。
【固定金利への借り換えが難しい理由 ②】
変動金利特有の5年ルールがあるために金利の上昇に気づくのが遅れる
住宅ローンを返済中の人が
変動金利から固定金利に切り替えることが難しい
2番目の理由として
変動金利型住宅ローンの月々の返済額が見直しされるタイミングが
5年に1度といったルール上の問題が挙げられます。
俗にいう「5年ルール」のことです。
<5年ルール>
変動金利型住宅ローンは半年ごとに金利が見直しされるが、
月々やボーナス時の返済額は5年間変わらないルール。
金利の変動は反映されているので、
月々返済額の内訳となる元金と利息の配分を調整して
月々の返済額を変えないようにしている。
金利上昇時は元金の返済に充てられる割合が減り
利息を支払う割合が増えるので
結果として元金の減りが遅くなるのがデメリットとなる

表からお分かりいただけるように
金利が毎年+0.25%ずつ上昇した場合
利息の計算上は
その都度金利の上昇が反映されていますが
月々の返済額を5年間は変えないという
「5年ルール」があるために
毎月返済額は変りません。
ところがよく見ると
月々の返済額のうち
元本の返済分が減らされ
反対に利息の支払い分が増えています。
結果として
ローン残高の減りが遅くなるのが
この5年ルールのデメリットとも言えます。
また
本来5年ルールは
「5年後には返済額が上がるので準備してくださいね」
という猶予期間を与えているものなのですが
肝心の当事者は
金利が上がっても返済額が変らない5年ルールがあるために
かえって金利が上がったことに気づくのが遅くなる
という落とし穴があるのです。
ちなみに
変動金利で借りた場合
向こう半年間の金利しか確約されていない為
返済がスタートした後は
半年ごとに返済予定表が金融機関から送られてきます。
返済予定表を毎回注意してみていれば
金利が上がっていることに気がつくのですが
いちいち見ない人も多いですし
銀行から引き落としされている金額自体が変わらないので
気づいていない人が多くなっています。
また、最近の傾向として
金融機関もペーパレスの流れが進んでおり
返済予定表を書面では郵送せず
ネットバンキングの画面で確認するしかない
ケースが増えているのが現状です。
そうなると
半年ごとにわざわざネットバンキングで
主体的に金利を確認する人は少ないので
ますます金利の上昇に気がつきにくい
といった悪循環に陥ります。
ところで、
全期間固定金利の代表的な商品であるフラット35には
当初5年間もしくは10年間、
金利の優遇を大きく受けられる「フラット35S」
という制度があります。
当事務所が顧問契約をしているお客様には
6年目、11年目の金利上がるタイミングで
家計や住宅ローンの見直しのお声がけをしているのですが
金利や返済額の上昇を認識しているお客様は
ほとんどいません。
それくらい実際に返済が始まると
私たちは金利や返済額に無頓着になってしまう
ということです。
ましてや
変動金利特有の「5年ルール」といった複雑なルールがあると
なおさら金利上昇に気がつかないのも無理がないと思います。
【固定金利への借り換えが難しい理由 ③】
金利は一本調子に上がるわけではない
最後の理由として
一般的に金利というものは
右肩上がりに上昇を続けるものではなく
上がり下がりを繰り返すものであり
それだけに
「変動金利から固定金利への借り換えのタイミングを計るのは難しい」
いう問題が挙げられます。
私が銀行員だった当時
2006年から2007年にかけて
金利が2回連続で上がったことがありました。
短期プライムレートが
+0.25%ずつ2年連続上昇し
2005年には2.375%だった
都市銀行の変動金利(基準金利)が
2007年には2.875%へと
上昇しました。
2年連続で上昇したということはこの先も上昇が続くのでは
という憶測が広がり、
銀行には連日、
住宅ローンを変動金利で借りていたお客様が固定金利に借り換えに
やってきました。
当時、全期間固定金利は3%近い金利でしたが、
大規模金融緩和政策以前の全期間固定金利としては妥当な金利であり、
なによりも金利先高観が高まっていたので、
変動金利から固定金利に借り換えしたいというニーズが高まった時期です。
私自身、何組ものお客様の借り換えを担当させていただきましたが、
皮肉なことに、その後間もなくすると金利は再び下がりました。
意識の高いお客様の中には
変動金利から固定金利に借り換えた後、
再び変動金利に借り換えるという動きも見られました。
借り換えには、
一般的にローン残高の3%程度の費用がかかりますが
何度も借り換えをするとその分余計な諸費用がかかります。
実際には、借り換えにかかる諸費用を自己資金で拠出する人は少なく、
諸費用も借入する人が多くなっていますが、
短期間に余分な借り換えをした分だけ
借り換え直後のローン残高が増えてしまったことになります。
金融リテラシーが高く
金利上昇に敏感に反応した人ほど損をしてしまった
という皮肉な話ですが、
それくらい
変動金利から固定金利へ切り替えるタイミングを見計らうのは難しい
ということです。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
ここまでが2023年4月に私が書いた本の内容です。
本にも書いてありますが
原稿を書き終えた2023年4月当時
りそな銀行の住宅ローン金利は
変動金利が0.37%
固定金利は1.345%でした。
変動金利と固定金利の差が
1%程度しかないので
こういった時は
固定金利にお得感があります。
ちなみに
2026年月9月現在
りそな銀行の変動金利は
0.95%(10月に引き上げ予定)
固定金利は
4.37%です。
今月の住宅ローン金利はこちら
2026年9月住宅ローン金利(都市銀行・ネット銀行・フラット35)
変動金利はさほどまだ上がっていませんが
固定金利はなんと4%超えです!
変動と固定の差が3%以上開いてしまったので
固定金利のお得感が薄れています。
固定金利に借り換えたいのであれば
長期金利が上昇をはじめた2023年までが
チャンスだったということになります。
このように
変動金利で借りている場合は
固定金利に借換えるのは容易ではありません。
また
多くの人が金利の上昇に気づくのは
だいぶ後になってからですが
本来は長期金利の方が先に動くので
長期金利の動きをいち早く察知しておく必要があります。
今回の金利上昇の動きでいうと
2022年~長期金利は先に上昇が始まっており
2024年~短期金利が遅れて上昇が始まった
といった動きでした。
なお
短期金利(無担保コール翌日物)の動きは以下の
日本銀行のサイトで確認できます。
無担保コール翌日物金利推移
長期金利(10年国債の利回り)が確認できるのは
こちらの財務省のホームページです。
国債金利情報
気になる方はチェックしてみてください。
正常な景気サイクルや金融政策が行われる世の中では
金利は上がり下がりを繰り返すものですが
20年・30年と返済を今後も続けていく中で
再び金利が下がる局面や上がる局面がやってくる可能性もあります。
もっとも短期金利はまだ低水準なので
あまり下がる余地がありませんが
長期金利はだいぶ上がっているのでどこかで
落ち着くかもしれません。
いずれにしても
住宅ローン返済世帯は
今後金利と長いつき合いになると思いますので
短期金利(変動金利)・長期金利(固定金利)の動きの違いを
理解して
金利とうまくつきあってください。
「変動金利が上がったら固定金利に借り換える」のではなく
「固定金利が歴史的低水準であるとき、
またはいよいよ上がってきたなというタイミングで
すばやく固定金利に借換えるかどうか判断する」ことが重要ですが
実際には
金利を日頃から見ているプロであっても
変動から固定金利に借換えるのはなかなか難しいですよ
というお話でした。
では、変動金利で借りている人は
どうすればいいのか?という話は
また次回にさせていただきます。


独立系FPの平井美穂です。
2023年5月に出版した著書
「金利上昇でも慌てない住宅ローンの超常識」の中で
私は「金利が上がってから固定金利に借換えるのは難しい」と
お伝えしていました。
あれから3年間で
変動金利が続けざまに上がり
まさに今
「これから固定金利に借換えるのは難しい」
状況になっています。
今回、
あらためて当時の状況を振り返ってみることで
住宅ローンの金利に対する考え方を
再確認していきたいと思います。
まずは
3年前に書いた本の中身を
ご紹介させていただきます。
以下は2023年5月に出版した拙著
「金利上昇でも慌てない住宅ローンの超常識」の中からの
抜粋です。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
『Q)変動金利が上がったら固定金利に借り換えればいいですよね?』
『A 変動金利で一度借りると途中で固定金利に切り替えるのは難しい』
変動金利で住宅ローンを借りている方から
「金利が上がったら固定金利に借り換えればいいですよね」
とよく聞かれます。
確かに高度経済成長期の時のように
金利が右肩上がりに上昇を続ける場合は
金利が上がり始めた初期段階で
固定金利にぱっと切り替えればいいのですが、
実際にはそう簡単ではありません。
一度返済が始まると
変動金利から固定金利に切り替えるのが簡単ではない理由を
3つ挙げます。
【固定金利への借り換えが難しい理由 ①】
短期金利が上がる頃には長期金利はとっくに上がっている
まず一番目の理由に
長期金利の方が短期金利よりも先に金利が上がる
という根本的な問題があります。
金利には短期金利と長期金利がありますが
住宅ローンの変動金利は
短期金利に連動する「短期プライムレート」を
元に決められます。
一方
全期間固定金利型住宅ローンの代表選手であるフラット35は
長期金利を元に
金利が決められています。
そして
短期金利の代表的な指標である
「無担保コール翌日物(銀行間で1日だけ融資する際の金利」の金利は
年8回行われる日本銀行の金融政策決定会合で
金利が誘導されます。
一方、
長期金利の代表的な指標である
10年国債の利回りは
債券市場の需給バランスや市場参加者のおもわくで
金利が変動します。
その時々の政治・経済、為替相場など
国内外での出来事がニュースになると
すぐに反応するのがこの長期金利です。

2022年の年初から続いている
長期金利の上昇は
まさに海外で起こっている金利上昇の動きに
即座に反応して起こった現象です。
対する短期金利は
中央銀行が経済状況をしばらく注意深く見守った上で
「これは中央銀行として対処が必要」
と判断した時に
政策金利の上げ下げを決定するものなので
長期金利よりもだいぶ遅れた動きを見せます。
なお、
現在は日本銀行が本来介入しないはずの長期金利に関しても
国債を大量購入するといった非伝統的な手法で
金利を抑制している状況です。
そのため、
短期金利と長期金利の差が小さくなっています。
具体的に、住宅ローンの変動金利と35年固定金利を比較してみると
大規模金融緩和が行われる前の2010年頃は
その差が約2%ありました。
2023年4月現在、
りそな銀行では変動金利は0.37%
35年固定金利は1.345%となっており
長期金利が上がってきているとはいえ
まだその差は1%程度です。
今後、
大規模金融緩和が終了し
金利が正常化する中で
長・短金利ともに引き上げられる
局面がやってくるかもしれませんが
その時には
長期金利は今よりも
だいぶ上がっている可能性があります。
そうなると、
いくら金利を固定できるといっても
低い金利からより高くなった金利への借り換えは
月々の返済額の負担増を考えると
なかなか決断ができないものです。
【固定金利への借り換えが難しい理由 ②】
変動金利特有の5年ルールがあるために金利の上昇に気づくのが遅れる
住宅ローンを返済中の人が
変動金利から固定金利に切り替えることが難しい
2番目の理由として
変動金利型住宅ローンの月々の返済額が見直しされるタイミングが
5年に1度といったルール上の問題が挙げられます。
俗にいう「5年ルール」のことです。
<5年ルール>
変動金利型住宅ローンは半年ごとに金利が見直しされるが、
月々やボーナス時の返済額は5年間変わらないルール。
金利の変動は反映されているので、
月々返済額の内訳となる元金と利息の配分を調整して
月々の返済額を変えないようにしている。
金利上昇時は元金の返済に充てられる割合が減り
利息を支払う割合が増えるので
結果として元金の減りが遅くなるのがデメリットとなる

表からお分かりいただけるように
金利が毎年+0.25%ずつ上昇した場合
利息の計算上は
その都度金利の上昇が反映されていますが
月々の返済額を5年間は変えないという
「5年ルール」があるために
毎月返済額は変りません。
ところがよく見ると
月々の返済額のうち
元本の返済分が減らされ
反対に利息の支払い分が増えています。
結果として
ローン残高の減りが遅くなるのが
この5年ルールのデメリットとも言えます。
また
本来5年ルールは
「5年後には返済額が上がるので準備してくださいね」
という猶予期間を与えているものなのですが
肝心の当事者は
金利が上がっても返済額が変らない5年ルールがあるために
かえって金利が上がったことに気づくのが遅くなる
という落とし穴があるのです。
ちなみに
変動金利で借りた場合
向こう半年間の金利しか確約されていない為
返済がスタートした後は
半年ごとに返済予定表が金融機関から送られてきます。
返済予定表を毎回注意してみていれば
金利が上がっていることに気がつくのですが
いちいち見ない人も多いですし
銀行から引き落としされている金額自体が変わらないので
気づいていない人が多くなっています。
また、最近の傾向として
金融機関もペーパレスの流れが進んでおり
返済予定表を書面では郵送せず
ネットバンキングの画面で確認するしかない
ケースが増えているのが現状です。
そうなると
半年ごとにわざわざネットバンキングで
主体的に金利を確認する人は少ないので
ますます金利の上昇に気がつきにくい
といった悪循環に陥ります。
ところで、
全期間固定金利の代表的な商品であるフラット35には
当初5年間もしくは10年間、
金利の優遇を大きく受けられる「フラット35S」
という制度があります。
当事務所が顧問契約をしているお客様には
6年目、11年目の金利上がるタイミングで
家計や住宅ローンの見直しのお声がけをしているのですが
金利や返済額の上昇を認識しているお客様は
ほとんどいません。
それくらい実際に返済が始まると
私たちは金利や返済額に無頓着になってしまう
ということです。
ましてや
変動金利特有の「5年ルール」といった複雑なルールがあると
なおさら金利上昇に気がつかないのも無理がないと思います。
【固定金利への借り換えが難しい理由 ③】
金利は一本調子に上がるわけではない
最後の理由として
一般的に金利というものは
右肩上がりに上昇を続けるものではなく
上がり下がりを繰り返すものであり
それだけに
「変動金利から固定金利への借り換えのタイミングを計るのは難しい」
いう問題が挙げられます。
私が銀行員だった当時
2006年から2007年にかけて
金利が2回連続で上がったことがありました。
短期プライムレートが
+0.25%ずつ2年連続上昇し
2005年には2.375%だった
都市銀行の変動金利(基準金利)が
2007年には2.875%へと
上昇しました。
2年連続で上昇したということはこの先も上昇が続くのでは
という憶測が広がり、
銀行には連日、
住宅ローンを変動金利で借りていたお客様が固定金利に借り換えに
やってきました。
当時、全期間固定金利は3%近い金利でしたが、
大規模金融緩和政策以前の全期間固定金利としては妥当な金利であり、
なによりも金利先高観が高まっていたので、
変動金利から固定金利に借り換えしたいというニーズが高まった時期です。
私自身、何組ものお客様の借り換えを担当させていただきましたが、
皮肉なことに、その後間もなくすると金利は再び下がりました。
意識の高いお客様の中には
変動金利から固定金利に借り換えた後、
再び変動金利に借り換えるという動きも見られました。
借り換えには、
一般的にローン残高の3%程度の費用がかかりますが
何度も借り換えをするとその分余計な諸費用がかかります。
実際には、借り換えにかかる諸費用を自己資金で拠出する人は少なく、
諸費用も借入する人が多くなっていますが、
短期間に余分な借り換えをした分だけ
借り換え直後のローン残高が増えてしまったことになります。
金融リテラシーが高く
金利上昇に敏感に反応した人ほど損をしてしまった
という皮肉な話ですが、
それくらい
変動金利から固定金利へ切り替えるタイミングを見計らうのは難しい
ということです。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
ここまでが2023年4月に私が書いた本の内容です。
本にも書いてありますが
原稿を書き終えた2023年4月当時
りそな銀行の住宅ローン金利は
変動金利が0.37%
固定金利は1.345%でした。
変動金利と固定金利の差が
1%程度しかないので
こういった時は
固定金利にお得感があります。
ちなみに
2026年月9月現在
りそな銀行の変動金利は
0.95%(10月に引き上げ予定)
固定金利は
4.37%です。
今月の住宅ローン金利はこちら
2026年9月住宅ローン金利(都市銀行・ネット銀行・フラット35)
変動金利はさほどまだ上がっていませんが
固定金利はなんと4%超えです!
変動と固定の差が3%以上開いてしまったので
固定金利のお得感が薄れています。
固定金利に借り換えたいのであれば
長期金利が上昇をはじめた2023年までが
チャンスだったということになります。
このように
変動金利で借りている場合は
固定金利に借換えるのは容易ではありません。
また
多くの人が金利の上昇に気づくのは
だいぶ後になってからですが
本来は長期金利の方が先に動くので
長期金利の動きをいち早く察知しておく必要があります。
今回の金利上昇の動きでいうと
2022年~長期金利は先に上昇が始まっており
2024年~短期金利が遅れて上昇が始まった
といった動きでした。
なお
短期金利(無担保コール翌日物)の動きは以下の
日本銀行のサイトで確認できます。
無担保コール翌日物金利推移
長期金利(10年国債の利回り)が確認できるのは
こちらの財務省のホームページです。
国債金利情報
気になる方はチェックしてみてください。
正常な景気サイクルや金融政策が行われる世の中では
金利は上がり下がりを繰り返すものですが
20年・30年と返済を今後も続けていく中で
再び金利が下がる局面や上がる局面がやってくる可能性もあります。
もっとも短期金利はまだ低水準なので
あまり下がる余地がありませんが
長期金利はだいぶ上がっているのでどこかで
落ち着くかもしれません。
いずれにしても
住宅ローン返済世帯は
今後金利と長いつき合いになると思いますので
短期金利(変動金利)・長期金利(固定金利)の動きの違いを
理解して
金利とうまくつきあってください。
「変動金利が上がったら固定金利に借り換える」のではなく
「固定金利が歴史的低水準であるとき、
またはいよいよ上がってきたなというタイミングで
すばやく固定金利に借換えるかどうか判断する」ことが重要ですが
実際には
金利を日頃から見ているプロであっても
変動から固定金利に借換えるのはなかなか難しいですよ
というお話でした。
では、変動金利で借りている人は
どうすればいいのか?という話は
また次回にさせていただきます。
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