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S&P500かオルカンか、銀行か証券会社か、それよりも先にやるべきことは?

最近、親戚の花ちゃんから

「美穂ちゃん、遅まきながら投資を始めたいんだけど何に投資をすればいいかな?」

という相談がありました。


具体的に質問があったのは

みんなが大好きなS&P500とオールカントリーとのどちらがいいか?

という質問です。


オルカン・SP500


この質問に対し、私は

「アメリカ大好き❤、米国に全ベットと思うならS&P500」


「いやいや、米国にすべてをささげるのはリスクがあるし

リスク以外の部分でもどうなのよ?と思うなら

他の国にも幅広く投資をしているオールカントリー」


と答えました。


その他にも

といってもオルカンも中身は6割くらい米株に投資していることや

私は両方に投資をしているので

それぞれの目論見書・運用報告書の見方、

過去のパフォーマンスの比較なども

伝えました。


あらゆる比較材料を提供した上で、

花ちゃんだったらどっちに投資をしたいと思うのか

釣った魚を与えるのではなく

魚の釣り方を伝えたしだいです。


結局、花ちゃんが選んだのは

オルカンでした。


ところで

花ちゃんからの最初の質問に対しては

解決したのですが

いろいろと話を聞いてみると

YouTubeをみて

オルカンやS&P500がどうやらいいらしい

という情報まではつかんだものの

投資対象うんぬん以外にも

分かっていないことが山ほどあるよう。


そもそも

証券会社で口座を開設するべきか

銀行で口座を開設するべきか


投資に回す前に

最低でも円預金でもっておくべき金額や


今後、5年後・10年後、

さらにその先の家計の中身を考えた時に

無理なく積み立てできる金額がいくらなのか


そのあたりの考え方や整理の仕方が

全くできていませんでした。


持っている資金すべてを

投資に回そうとしていたので

いやいや花ちゃんそれは危険ですよと。


アベノミクスが始まった2013年からの

この10年は出来すぎというくらい

株価が上昇し、

投資をしている人は資産が爆増しました。


ですが

投資は本来長期投資が基本であり

5年・10年で結果を期待するのは

都合の良い話です。


この10年のように

たまたまうまく行くことはもちろんありますが

本当はせめて10年、できれば20年以上で

成果を期待したいところです。


リーマンショックの時に

私は銀行にいましたが

お客様の資産も

私の資産も一番ひどい時には

一瞬で3分の1になってしまいました。


その後6年ほどで徐々に元に戻りはじめ

15年くらいで2倍になったわけですが

とにかく暴落してもあわてずに持ち続けることが

投資で勝つ秘訣ということを

身をもって体験したわけです。


そんな経験を踏まえ

万万が一、暴落があったとしても

まったく困らない資金で投資をしようというところから

はじまり、

円預金で持っておくべきお金、

65歳まで無理なく積み立てができるお金に

資金を色分けしました。


これね

頭ではわかっているようでも


これから住宅を買おうとしている人や

これから産休・育休に入ろうとしている人

これから海外留学を予定している人など

今から5年以内にいっぱいお金を使いますよねという人が

その金額をよけずに

投資に回そうとする行為は

ふだん行っている家計診断でよく見かけます。


一般の人は

5年後・10年後、100歳までのお金のながれを

可視化するキャッシュフローを作成することが

習慣化されていないので

そこまで考えが回らないのが普通です。


ですが

私たちFPは毎日いろいろなお客様の家計診断をしているので

話を聞くだけで

このまま何も確認せずに見切り発車すると

数年後にぶちあたりそうなリスクが予測できたりします。


なので

一人で考えるとあれもこれも

分からないことだらけなのが

プロのFPに相談すると

自分で気がついてない潜在的な問題も含めて

あらゆる家計の問題があっという間に解決できるわけです。


銀行・証券会社


花ちゃんの話に戻しますね。


花ちゃんは結局

半年分の生活費相当額は

円預金に分けることにしました。


そして

銀行か証券会社か

どちらでNISA口座を開設するべきかという質問に対しては


銀行では株式が買えないこと

米国債券や海外の投資商品も買えないこと


また銀行では対面の相談もできるけど

その代わり銀行員が売りたい商品をすすめられることもあること


一方

証券会社では

対面の相談は基本的に富裕層向きであり

おススメはネット証券であること


なかでも商品ラインナップの豊富さ

サービスの充実さからおススメの

証券会社をいくつか伝えました。


ただ、ここで問題が発覚します。

花ちゃんはパソコンをふだん使っていないので

ネット証券の口座開設を一人でできないと。

私がZOOMで一緒にやってもいいのですが

ZOOMの設定もできないということでした。


遠方に住む花ちゃん

会うのもなかなか難しい・・・


これは

口座開設したとしても

その後商品購入など、

たぶん一人ではできないだろうなということで

結局花ちゃんは

地元の銀行で口座開設することを選びました。


銀行あるあるですが

キャンペーンの定期預金の金利が3カ月間だけ

上乗せされるサービスを抱き合わせて

窓口で懇切丁寧に口座開設の手続きをしてもらい

オールカントリーだけを購入したようです。


まったく投資をしていなかった花ちゃんなので

何はともあれ

投資デビューできたのは良かったかなと。


たしかに

サービス内容や商品ラインナップは

ネット証券の方がはるかに良いのですが

初心者が一人で誰にも相談せずに

手付きを完結するのは

ハードルが高いと思います


ましてや

ITが苦手という方は

私のようなFPなどに

PC操作から手伝ってもらわないと

途中で脱落する可能性が高いです



ですので

PC操作や金融関係の細かい手続きが苦手な人は

銀行の窓口で手続きをしてもらって

買う商品は

銀行には申し訳ないですが

積み立てNISAの対象商品だけにする

という選択肢もあるかと思います。


積立NISAの対象商品は手数料が低いものしか

ラインナップできないという金融庁の規制があるので。


気になったのは

資産形成期は

オールカントリーやS&P500で

とにかくまずは投資を始めてみるという点ではいいのですが

それだけでは

投資対象のレパートリーがやっぱり少なく

とくに定年退職後は

違う投資対象も検討した方がいい点です。


ま、でも、その時がきたら

花ちゃんに声をかければいいかなと

自分の中で腹落ちさせました。


今回の花ちゃんのケースのように

投資をはじめる時には

何に投資をするべきかというところに

考えが集中しがちですが

その前にお金の色分けや

そもそもいつまでにいくら貯める必要があるかなど

一生涯のお金のながれを可視化することが重要です


それをすることで

投資の失敗を防げるし

イデコで投資するべきか

NISAに投資するべきか

どういった投資先に投資するべきかなどの答えも見えてきます。


プロの力を借りて

まずは一生涯の家計全般を整理し

改善するところから始めてみることも

検討してみてください。